
「とぅるとぅるとぅとぅるとぅるとぅるる」部屋にiPhoneのアラームが鳴り響く。
眠たい目をこすりながら画面を見ると朝の7時半。
これが僕の起きるいつもどおりの時間だ。
1月に入ってから関東も本格的に寒くなり、僕の住んでいる横浜の町にも雪が積もった。それからもう一週間くらいは経つが、日の当たらない場所ではまだ雪は溶け切っていない。
朝の気温は氷点下。
布団から出るのは辛いが、我々会社員は何が何でも会社へ行かなくてはならない。
それがサラリーマンというものだ。
僕の勤めている会社は遅刻すると有給が削られるシステムになっているので、遅刻だけはなんとしてでも避けたい。
毎日こんなことを思いながら、渋々布団から抜け出し洗面所に顔を洗いにいく。
顔を洗い終えると、リビングへ。
我が家は共働きだ。
できることなら養ってあげたい所だが、そんなに稼ぎが良いわけではないので、共働きで生計を築いている。
妻のほうが出社時刻が早いので、僕がリビングへ行く頃にはとっくに準備を終えている。
朝ごはんは妻がつくってくれる。
最近は食パンが多いが、米の日もある。
今日の朝ごはんは食パンにソーセージと目玉焼きがのせてあるトースト。
僕は妻より1時間くらい遅く起きるので、いつも食パンは水分がなくなってカチカチになっている。
本当は僕が起きる時間にトーストしてほしいが、我が家は共働き。
妻も出勤前で忙しい。たとえカチカチの食パンで歯茎から血が出ようともつくってもらっているからには文句は言わない。
それが「良い夫」というものだ。
僕は日頃から文句を言わず、喜びそうなことを率先してやるようにしている。
「良い夫」をしてる自分偉い。かっけぇ。と自分に酔っている。
さらに、妻の前ではそれを威張ったりなんかしない。
たとえ喜びそうな事をして気づかれなかったとしても、自分が良ければそれでいいのだ。
あーなんて良い夫。
さて、明日はどんな朝ごはんが食卓に出てくるだろうか。
世の中の夫よ。
みんなも見習ってくれよ。
絶対に「うちは鬼嫁」だなんて口にしちゃいけない。